HHD’s blog

線路のある風景

旧国名の付く駅を訪ねる旅(伊勢奥津駅)

伊勢奥津駅

 今から30数年前、全国に散らばる旧国名の付く駅を訪ねる旅をした。最初におとずれたのが、三重県名松線の終着駅である伊勢奥津駅だった。この日は小雨の降りしきる日だった。伊勢奥津の駅前は閑散としており、名張へ向かう国道を歩いてみた。線路がつながらなかった区間を少しでもたどってみたかった。しかし雨足が強くなってきたので仕方なしに駅に引き返した。

 帰りは松阪までいかず、途中の一志駅でおりて記念に入場券を買った。なぜだかはわからないのだが、この「一志」と言った駅名が私の心をとらえた。当時、私は大学卒業を目前にしており、地元の信用金庫に就職が決まっていた。しかし、私には夢があった。それは税理士となって自分の事務所を持つことであった。しかし結果から先に言うと「一志」を貫くことはできず、その夢が実現することはなかった。私のサラリーマン人生も残り少なくなった。今から思うと、私の社会人としてのスタートとなったのがこの駅への旅であったような気がしてならない。

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(伊勢奥津駅で発車を待つ松阪行の気動車

 

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   (1981年2月23日撮影)