HHD’s blog

線路のある風景

旧国名の付く駅を訪ねる旅(越前花堂駅)

越前花堂駅

 この旅は越美南線の美濃白鳥駅からバスで九頭竜湖へ向かうルートから始まった。同行者は同じ歳のH君。九頭竜湖でバスをおりて、人並みに「観光」をして越美北線九頭竜湖駅に向かって歩き出したのであるが、途中でものすごい雷雨に襲われ、国道わきの草むらに退避した。その時にたまたま通りかかったパトカーにお願いして乗せてもらい九頭竜湖駅まで送ってもらった。私もH君もびしょ濡れ状態だったので、このままだと風邪をひいてしまうので、民宿にお願いして風呂に入れてもらった。そのようなこともあって、目的地の越前花堂駅に着いたのは予定よりも遅れて、夏の長い陽も光を失い始めた頃であった。この日の夜は福井市内のビジネスホテルに泊まった。食事を終えて、静かな喫茶店でコーヒーを飲んだ。H君は日ごろからハードな仕事をしており、「こんなにゆっくりとコーヒーを飲んだのはひさしぶりや。」とつぶやいたのが今でも私の記憶に残っている。まだ二人とも25歳の青年だった。雷雨の洗礼、駆け出しの社会人としての厳しい日々、なにかほろにがいのだけれども私にとってなつかしい、忘れられない旅となった。

 

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九頭竜湖をバックにH君と撮影)

 

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(1983年7月30日撮影)