HHD’s blog

線路のある風景

ホームにて


振り向けば 空色の汽車は
いま ドアが閉まりかけて
灯りともる 窓の中では 帰りびとが笑う
ふるさとは 走り続けた ホームの果て
叩き続けた 窓ガラスの果て
そして 手のひらに残るのは
白い煙と乗車券

 施設透析に変更になってからは苦痛な事の方が圧倒的に多いのだが、唯一のメリットとしては絶対に失敗なく透析を行ってくれるので、翌日に指定席券を予約して旅ができることである。在宅透析の場合は失敗して翌日に施設での透析の可能性があるので事前に指定席を取っても旅に出ることが出来ない可能性があった。しかし、皮肉なことにコロナの感染者数が毎日、史上最高数を更新している状況なので気軽に鉄道旅行も出来なくなってしまった。
 
 そのような状況の中、中島みゆきの「ホームにて」が流れてきた。やさしい歌詞とメロディーに旅情が湧き上がってきた。私は神戸で生まれたが、父の転勤で5歳で名古屋に行き、その後もいくつもの街に住んだ。そんなこともあって私には故郷と呼べる地がいくつもある。実際の旅に出ることが出来ないので、私は何枚もある「ふるさと行」の乗車券を握りしめて頭の中にある故郷への旅に出ることにした。

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