HHD’s blog

線路のある風景

近くの親戚よりも近くの他人

 母が亡くなってひと月が過ぎた。家族葬だったため、親戚や知人に母が亡くなったことを知らせるハガキを出した。すぐに手紙やお花を送ってくれたのは母が施設に入るまで長年にわたり住んでいた家の近所の方たちだった。母は90歳まで華道の先生をしていたので近所には多くのお弟子さんがいたこともあったが、お弟子さん以外の方たちとも交流があったので、お花やお供え物をたくさん送っていただいた。しかし、親戚から連絡があったのは2軒だけだった。母は7人兄弟の末っ子で、他の兄弟はすべて亡くなっており、世代が代わってしまっていたのも大きな要因だったのかもしれないが、あまりにも薄情な反応に私は失望した。
 
 ことわざで「遠くの親戚よりも近くの他人」と言った言葉があるが、母の親戚はほとんどが比較的近くに住んでいる。それでこの無関心な対応である。私は「近くの親戚よりも近くの他人」だと強く思った。母の死が今後の周囲の人たちとの付き合いを考え直す良い機会となった。