この日は残業が続いた週末の休日だった。疲れていたのでどこにも出かけるつもりはなかったが、たまたま聴いていたラジオが大和路の秋の魅力を伝える番組を実況中継で流していた。この放送を聴いているうちに、大和路の秋の風景をみてみたいとの思いが私の中に湧き上がってきた。そんなこともあって急に思い立ってこの駅を目指すことになった。
関西本線の王子駅で和歌山線の列車に乗り換えて、高田駅でおりて歩き始めた。ラジオで放送していた通りの秋本番の風景が広がっていた。1時間近く歩いて大和新庄駅に着いたが、この駅の印象はあまりない。しかし、秋本番の大和路の風景に触れて、はるか昔の万葉の時代に思いを馳せることができた良い旅であったと思う。
(閑散とした大和新庄駅前)
(高田ー大和新庄 秋本番の風景のなかを歩く)(1983年10月23日撮影)